延縄漁の成否は幹縄の潮乗り角度と枝縄間隔で8割決まる。餌付けタイミングと投縄速度が鮮度と漁獲を左右する実践漁法だ。

延縄漁で最初に詰まるのは幹縄の張り方だ

延縄漁を始めた漁業者が必ずといっていいほど失敗するのは、幹縄を海中でどう張るかの判断であり、教科書では「潮流に対して直角に設置」と書かれるものの、実際の現場では潮が2枚3枚と複雑に流れる海域も多いため、マニュアル通りの対応では通用しないケースが頻発する。紀伊半島沖で延縄を始めた若手漁師が、マニュアル通りに幹縄を張ったところ、回収時には縄が団子状に絡まり、餌も針もすべて無駄になった。潮の表層と底層で流れが逆になっていたためだ。

結論からいえば、延縄漁は幹縄の潮乗り角度と枝縄の間隔設定が命になる。この2点を現場の海況に合わせて調整できなければ、どれだけ高価な餌を使っても漁獲は上がらない。水産庁の「令和3年度漁業センサス」によれば、延縄漁業を営む経営体数は全国で約9,200経営体とされるが、この数値は沿岸小規模を含むため実際の専業延縄船はこの3分の1程度という見方が現場では強い。

延縄漁は餌と針を付けた枝縄を、長い幹縄に一定間隔で結びつけ、海中に投入して魚を釣る漁法だ。マグロ・メカジキなどの大型回遊魚から、アカムツ・キンメダイなどの高級底魚まで幅広い魚種に対応する。ただし仕掛けの作り方一つで、同じ漁場でも水揚げに倍以上の差が出る。ベテランは「縄は海に教わる」と言うが、これは潮と地形を読んで仕掛けを調整する技術を指している。水産庁「漁業・養殖業生産統計(令和4年)」によれば、延縄漁業による年間漁獲量は全国で約12万トンに達し、うちマグロ類が約3万トン、キンメダイ・アカムツ等の底魚類が約2万トンを占める。

前提条件・必要な道具

延縄漁に必要な基本装備

延縄漁の仕掛けは対象魚種と操業水深によって大きく変わる。ここでは水深150~300mを狙う底延縄を基準に解説する。

幹縄(みきなわ)
直径8~12mmのポリエチレン製ロープが主流だ。長さは操業規模により200m~数kmまで幅がある。沿岸の小型船なら500~1,000m、沖合なら2~5kmの幹縄を使う。素材はかつて麻縄が使われたが、現在はほぼすべてポリエチレンかナイロン製となった。耐久性は2~3年だが、潮流の速い海域では摩耗が早く1年半程度で交換する船も多い。

枝縄(えだなわ)
幹縄から垂れ下がる縄で、先端に釣針を結ぶ。直径3~5mmのナイロンテグスまたはフロロカーボン製が標準となる。長さは1.5~3mが基本であり、対象魚の遊泳層に合わせて調整するが、キンメダイなど底付近を狙う場合は1.5~2m、アカムツなど底から少し浮いた層を狙うなら2.5~3mにする。間隔は幹縄1m当たり1~2本が目安だが、これも魚種と海域で変える。

釣針
魚種に応じて5号~18号まで使い分ける。キンメダイには10~12号、アカムツには13~15号、マグロ延縄なら16~18号が標準だ。形状も丸セイゴ型、ムツ針、マグロ針と分かれる。現場では「針は消耗品」と割り切り、1回の操業で10~20%は交換する前提で予備を積む。

浮子(あば)とアンカー
幹縄を一定の深度に保つための浮子は、50~100m間隔で取り付ける。素材は発泡スチロール製の球形またはプラスチック製浮標が一般的だ。底延縄の場合、幹縄両端と中間部に3~5kgの錘またはアンカーを配置して縄を海底付近に沈める。


サンマ、サバ、イカが定番だ。鮮度が漁獲を左右するため、冷凍保存したものを使用直前に解凍する。解凍は前日夜から冷蔵庫内で行い、出港時に氷詰めして持ち出すのが基本になる。生餌を使う船もあるが、コスト面で冷凍餌が主流だ。

その他の道具
縄巻き機(ドラム)、餌付け台、計量計、魚倉用の氷、ゴム手袋、ナイフ、ハサミ、予備の針・枝縄・浮子、GPS魚探が最低限必要になる。縄巻き機は手動式と電動式があるが、幹縄500m以上を扱うなら電動が前提だ。

操業に必要な知識

潮流の読み方
延縄の成否は潮流の把握で決まる。潮が速すぎれば幹縄が流され、遅すぎれば縄が沈みすぎて根掛かりする。表層と底層で流向が異なる「二枚潮」の日は、幹縄の角度調整が難しく初心者には不向きだ。地元漁協や先輩漁師から潮の癖を聞いておく必要がある。

操業時間と天候
底延縄の場合、投縄は夕方、揚縄は早朝が基本だ。魚の活性が高い夜間に針掛かりを狙う。ただし、時化の予報が出ている場合は操業を見合わせる。波高2m以上では小型船の延縄作業は危険になる。凪の日を選ぶのが鉄則だ。

漁業権と操業区域
延縄漁は共同漁業権または知事許可漁業に該当する海域が多いため、自船が操業できる区域を事前に確認し、他船の仕掛けと干渉しない位置取りを心がける必要があるが、GPS魚探で自船の航跡と投縄位置を記録しておくと、次回以降の操業計画に役立つ。水産庁「水産白書(令和5年版)」では、漁業就業者の高齢化率(65歳以上の割合)が約40%に達しており、延縄漁業においても熟練技術の継承が喫緊の課題とされている。

延縄漁のやり方と仕掛けの作り方における前提条件・必要な道具の様子

手順

Step 1: 仕掛けの準備と餌付け

幹縄と枝縄の結合
幹縄に枝縄を結ぶ際は、等間隔に結び目を作る。間隔は対象魚と海域により50cm~2mの範囲で調整する。キンメダイ狙いなら1m間隔、アカムツなら1.5m間隔が一般的だ。結び方は「エダス結び」または「チチワ結び」を使う。チチワ結びは枝縄先端に輪を作り、幹縄に通して固定する方法で、素早く確実に結べるため現場では多用される。

結び目の強度確認は必須だ。結んだ後、枝縄を強く引いて抜けないか試す。ここで手を抜くと、魚が掛かった瞬間に枝縄が外れて取り逃す。

針の取り付け
枝縄先端に釣針を結ぶ。結び方は「外掛け結び」か「内掛け結び」が標準だ。外掛け結びは針軸に糸を5~7回巻きつけて固定する方法で、強度が高く大物にも対応できる。結び終わったら針先が鋭利か確認し、鈍っていれば砥石で研ぐ。

餌付け作業
餌付けは出港直前に行うが、解凍した餌を針に刺す際の刺し方によって餌持ちと食い込みが大きく変わるため、サンマの場合は目の後ろから針を通し、背中側に針先を出す「背掛け」を基本として、針先は餌の表面から3~5mm出すように調整する。針先は餌の表面から3~5mm出す。深く刺しすぎると魚の食い込みが悪くなり、浅いと餌が外れやすい。

イカ餌の場合は胴部分を短冊状にカットし、針を2回通して固定する。サバは頭を落として3~4cm幅の筒切りにし、断面から針を刺す。餌が柔らかい場合、糸で縛って補強する船もある。

餌付けした枝縄は、縄巻き機のドラムに順に巻き取る。このとき枝縄同士が絡まないよう、餌の向きを揃えて巻く。ドラムには500~1,000本分の枝縄が巻ける容量が必要だ。

Step 2: 投縄作業

投縄開始位置の選定
GPS魚探で水深と海底地形を確認しながら、投縄開始点を決める。底延縄の場合、起伏の激しい岩礁帯は根掛かりリスクが高いため避ける。砂泥底や緩やかな斜面が理想的だ。過去の操業データがあれば、漁獲実績のあった緯度経度を参考にする。

潮流方向も重要だ。潮上から潮下へ向かって幹縄を流すのが基本になる。こうすることで幹縄が自然に張り、枝縄が絡みにくくなる。

アンカー投入と幹縄展開
投縄は船を一定速度(1.5~2.5ノット)で走らせながら行うが、まず始点にアンカー付き浮標を投入し、続けて幹縄をドラムから繰り出す作業に入るものの、幹縄の繰り出し速度と船速を同調させないと、縄がたるんだり引っ張られたりして仕掛けが乱れるため、繊細な調整が求められる。

甲板上では1~2名が枝縄の繰り出しを担当する。枝縄が幹縄に絡まないよう、餌を海中に落とすタイミングを調整する。風が強い日は餌が風に煽られて絡みやすいため、風下側から投入する工夫が要る。

浮子とアンカーの配置
幹縄を50~100m繰り出すごとに浮子を取り付けるが、浮子の浮力は幹縄と枝縄の総重量を考慮して選ぶ必要があり、浮力が強すぎると幹縄が浮きすぎて対象層を外し、弱すぎると縄が海底に這って根掛かりするため、水深200mの底延縄なら浮子1個あたり2~3kgの浮力が目安となる。

幹縄の中間点と終点にもアンカーを投入して、縄全体を安定させる。終点のアンカーには必ず旗付き浮標を取り付け、回収時の目印にする。

投縄完了後の確認
すべての幹縄を投入したら、GPS魚探で投縄位置を記録する。始点と終点の緯度経度、投縄方向、水深、潮流データをノートに記載しておく。これが次回操業の貴重な資料になる。

投縄後は仕掛けを3~6時間放置する。底魚狙いなら夜間に投入して早朝回収、マグロ延縄なら朝投入して夕方回収が一般的だ。待機時間中は船を近くに留め、他船や流木が仕掛けに接触しないか監視する。

Step 3: 揚縄作業

仕掛けの位置確認
揚縄開始前に、投入時に記録したGPS座標へ船を移動させる。終点の旗付き浮標を目視で確認できれば、その浮標から揚縄を始める。視界不良時はGPSとレーダーを頼りに浮標に接近する。

潮流が速い日は、仕掛けが投入位置から数百m流されていることもある。浮標が見つからない場合、潮下方向に探索範囲を広げる。

揚縄機の操作
浮標を船上に引き上げたら、幹縄を揚縄機(電動ドラム)にセットする。揚縄速度は毎分20~30mが標準だ。速すぎると魚が外れ、遅すぎると作業時間がかかりすぎる。

枝縄に魚が掛かっていれば、手鉤またはタモ網で取り込む。魚を外した枝縄は甲板上の専用箱に回収し、針と餌の状態を確認する。針が曲がっていたり餌が外れていたりすれば、その枝縄は次回使用前に修理が必要だ。

魚の処理
揚げた魚は即座に活け締めまたは神経締めを行うが、キンメダイやアカムツなど高級魚は鮮度が価格に直結するため、処理の速さが収益を左右することになり、締めた魚は氷水を張った魚倉に入れて体温を急速に下げる必要がある。

魚種によっては活魚出荷する場合もある。その際は生簀に魚を移し、酸素供給装置で活かしたまま港へ運ぶ。

外道と根掛かりへの対処
延縄には対象魚以外の外道も掛かる。サメ・エイ類は針を外して海に返すが、針ごと食いちぎられることも多い。毒棘を持つゴンズイやオニカサゴは素手で触らず、ペンチで針を外す。

根掛かりした枝縄は無理に引かず、幹縄を弛ませて角度を変えて引き上げる。それでも外れなければ枝縄を切断し、幹縄本体を守る。根掛かりが頻発する海域では、枝縄の長さを短くして海底から浮かせる工夫が要る。

揚縄完了と次回準備
すべての幹縄を回収したら、甲板上で枝縄と針の点検を行う。傷んだ枝縄は交換し、針は研ぎ直すか新品に取り替える。幹縄も擦れや傷がないか確認し、劣化した部分は切除してつなぎ直す。

餌の残り具合も重要な情報だ。餌がほとんど残っている枝縄が多ければ、魚の活性が低かったか、餌の種類が合わなかった可能性がある。逆に餌だけ取られて魚が掛からない場合、針のサイズや餌の付け方を見直す必要がある。

Step 4: 漁獲物の水揚げと記録

港への帰投と荷揚げ
漁場から港までの航行中も、魚倉の温度管理を怠らない。氷が溶けていれば追加し、魚体温度を0~5℃に保つ。活魚の場合、生簀の酸素濃度と水温を監視する。

港に着いたら漁協の荷受け場へ魚を搬入する。計量後、魚種ごとに選別して発泡スチロール箱に氷詰めする。鮮度が良ければ市場でのセリ値が上がるため、ここでの丁寧な処理が収益に響く。

操業記録の作成
漁協への報告用に操業記録をつけるが、記載内容は操業日時、投揚縄位置(緯度経度)、使用針数、漁獲魚種と数量、海況(波高・潮流・水温)などであり、この記録は資源管理や漁況予測にも使われる重要なデータとなる。

自分用の操業ノートには、さらに詳細なデータを残す。餌の種類と鮮度、枝縄間隔、浮子の配置、外道の種類、根掛かりの有無などを記録しておくと、次回以降の操業改善に役立つ。長崎県や静岡県の延縄漁師の中には、30年分の操業ノートを保管し、海況パターンと漁獲の関係を分析している人もいる。水産庁「漁業経営調査(令和3年度)」によれば、沿岸延縄漁業の1経営体あたり年間漁労支出は平均約450万円で、うち燃油費と餌代で約40%を占めるため、操業効率と鮮度管理による単価向上が収益確保の鍵となる。

よくある失敗と対処法

枝縄の絡まりによる漁獲ゼロ
投縄時に枝縄同士が絡まり、回収したら団子状の縄の塊だけが揚がったという失敗は初心者に多い。原因は投縄速度と船速の不一致、または強風時の無理な投入だ。

対処法は投縄速度を一定に保つこと。ドラムからの縄の繰り出しリズムと船のスロットル操作を同調させる。風速5m以上の日は投縄を避けるか、風下側から投入して餌が風に煽られないようにする。

餌だけ取られて針掛かりしない
揚縄したら餌が綺麗に取られているのに魚が1匹も掛かっていない場合、針のサイズが魚のサイズに合っていないか、餌の付け方が悪い。小魚が餌だけを突いて逃げている可能性が高い。

対処法は針を1~2号大きくするか、餌の刺し方を変える。サンマ餌なら背掛けから腹掛けに変え、針先を深く隠す。または餌を小さくカットして、魚が一口で食えるサイズにする。

根掛かり多発で仕掛け損失
海底の岩礁や沈船に枝縄が引っかかり、回収できなくなる失敗だ。三陸沖や伊豆半島沖など起伏の激しい海域で起きやすい。根掛かりした枝縄を無理に引けば幹縄ごと切れ、仕掛け全体を失う。

対処法は事前の海底地形調査と、枝縄長の短縮だ。GPS魚探の海底地形モードで岩礁帯を避け、砂泥底を選んで投縄する。それでも根掛かりが避けられない海域では、枝縄を通常の2mから1.5mに短くして海底から浮かせる。浮子の数を増やして幹縄全体を少し浮かせる方法も有効だ。

潮流変化で仕掛けが流失
投縄時は穏やかだった潮が急変し、仕掛けごと流されて回収できなくなる失敗であり、特に黒潮の影響を受ける海域では潮流が時間単位で変化するため、GPS座標に戻っても浮標が見つからず、仕掛けを諦めるケースもある。

対処法は気象・海況情報の事前確認と、浮標の増設だ。海上保安庁の海流予測や漁協の潮流情報を必ず確認してから出港する。また、幹縄500mごとに浮標を追加し、仕掛けの一部だけでも回収できるようにする。浮標にはGPS発信機を取り付ける船も増えている。

鮮度落ちによる価格暴落
揚縄後の魚処理が遅れ、港に着いたときには鮮度が落ちて価格が半分以下になる失敗だが、夏場の高水温期に多く、キンメダイやアカムツは鮮度劣化が特に早いため、締め処理と冷却が1時間遅れるだけで市場評価が下がる。

対処法は揚縄と同時進行での魚処理体制を組むこと。1名が揚縄操作、もう1名が魚の取り込みと締め処理を担当する。魚倉には出港前に大量の氷を入れておき、締めた魚を即座に氷水に漬ける。帰港まで時間がかかる場合、海水氷(スラリーアイス)を使って魚体温度を0℃近くまで下げる技術もある。

二枚潮での縄の捻れ
表層と底層で潮の流れる方向が逆になる「二枚潮」の日、幹縄が捻れて枝縄が絡まる失敗だ。揚縄すると幹縄が螺旋状に巻かれ、枝縄はすべて使い物にならなくなる。

教科書では「二枚潮の日は操業を避ける」とされるが、実際の現場ではそうも言っていられないため、特定の漁場が二枚潮になりやすい日を経験的に把握し、その日は幹縄を短く(300m以下に)して潮の影響を最小化するか、投縄方向を潮流に対して斜めにして縄全体が一方向に流れるよう調整する技術を使うが、これは熟練を要する。

延縄漁のやり方と仕掛けの作り方におけるよくある失敗と対処法の様子

安全上の注意点

時化と突風への対応
延縄作業中は両手が塞がり、波浪への対応が遅れる。波高1.5m以上の予報が出ている日は操業を中止する判断が必要だ。作業中に突風が吹けば、甲板上の道具が飛散し、作業員が転倒する危険もある。

対応策として、甲板上の道具は固定またはネットで覆う。作業員は必ずライフジャケットを着用し、命綱を船体に固定する。天候急変の兆しがあれば、仕掛けの回収を中断してでも避難を優先する。

針刺し事故の防止
延縄作業で最も多い事故は釣針による刺傷であり、餌付け時や揚縄時に針が指や手のひらに刺さるが、海水に触れた針は錆びているため、傷口から細菌感染する危険がある。

防止策は厚手のゴム手袋着用と、針の取り扱い動作の習慣化だ。餌付け時は針先を自分の体から遠ざける向きで作業する。万一刺さった場合、無理に抜かず港に戻って医療機関で処置を受ける。破傷風ワクチンの接種も推奨される。

機械への巻き込まれ
揚縄機のドラムに衣服や手指が巻き込まれる事故も報告されている。特に疲労時や夜間作業では注意力が低下し、回転中のドラムに接触しやすい。

対策として、揚縄機周辺では袖口の広い衣服を避け、作業服の裾もしっかり締める。ドラム操作は必ず1名が専念し、他の作業員は安全距離を保つ。緊急停止ボタンの位置を全員が把握しておく。

転落と低体温症
船外への転落は致命的事故につながるが、冬季の海水温が低い時期は落水後15分で低体温症により意識を失うため、防止策としてライフジャケット常時着用と単独作業の禁止が必須であり、最低でも2名以上で乗船して互いの安全を確認し合う必要がある。

落水時に備えて救命浮環と救命索を甲板上に配置しておく。

長時間労働と疲労
延縄漁は投縄から揚縄まで深夜早朝の作業が続き、労働時間が長い。睡眠不足と疲労が蓄積すると、判断ミスや操作ミスが増える。

対策として、操業スケジュールに余裕を持たせ、無理な連続操業は避ける。揚縄後は必ず休息時間を取り、次の操業まで最低6時間は睡眠を確保する。疲労を感じたら無理せず操業を切り上げる勇気も必要だ。

まとめ

延縄漁は幹縄の張り方と枝縄配置の精度が漁獲を決める技術集約型漁法であり、投縄時の潮流読み、餌付けのタイミング、揚縄時の魚処理速度のすべてが鮮度と収益に直結するため、教科書通りの仕掛けでは通用せず、操業する海域の地形・潮流・魚種特性を読み取って仕掛けをカスタマイズする力が求められる。

初心者が最初に身につけるべきは、枝縄の絡み防止技術と根掛かり回避の地形判断だ。これができなければ仕掛けの損失が続き、採算が取れない。次に餌の鮮度管理と付け方の工夫で針掛かり率を上げ、揚縄後の魚処理速度を高めて鮮度を保つ。この3段階を経て、ようやく安定した漁獲が得られる。

ベテラン漁師は「延縄は海が教えてくれる。縄の張り具合、餌の減り方、魚の掛かり方を見れば、次にどう仕掛けを変えればいいか分かる」と言う。つまり、毎回の操業記録を丁寧に取り、仕掛けと漁獲の因果関係を自分の経験値として蓄積することが上達の本質だ。

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