Sanchi.JP - 日本の一次産業メディア
林業ダッシュボード
[ FORESTRY DASHBOARD ]

日本の林業データ

産出額・素材生産・自給率・担い手・木材価格・森林資源を6視点で分析

最終更新: 2026-04-14

89%から19%へ、そして41%へ。日本の木材自給率は60年で大きな弧を描いた。戦後復興の主役だった国産材は2002年に18.8%の底を打ったあと、合板メーカーの国産材シフトと戦後植林の主伐期到達で反転基調に入った。ただし収益構造の主役は既に木材(57%)からきのこ類(41%)に移りつつあり、林業の重心は変わり始めている。

[ CURRENT STATUS ]

現在の状況

素材生産量(2022年)
2,208万m³
木材自給率(2023年)
40.7%
林業経営体数(2020年)
34,001経営体
林業就業者数(2020年)
4.4万人
[ LEADING INDICATORS ]
製材(マレーシア産)
689.2$/m3
-0.1%前年同月比
丸太(マレーシア産)
193.3$/m3
-6.5%前年同月比
01

素材生産の長期動向

1967年にピークをつけた素材生産は35年かけて底を打ち、2002年以降は反転基調にある。ただし収益構造の主役は既に木材からきのこ類に移っている

林業産出額の推移(品目別積み上げ)

1971–2024農水省 生産農業所得統計
木材きのこ類薪炭林野副産物

1980年ピーク時は木材が84%・きのこが15%だったが、2024年は木材57%・きのこ41%。きのこ類が構造的に産業を下支えしている

素材生産量の推移(需要部門別積み上げ)

1960–2022農水省 木材統計
製材用合板用パルプ・チップ用

合板メーカーの国産材シフトが2002年の底を反転させた主要因。合板・集成材の伸びが顕著

都道府県別 林業産出額ランキング TOP15(2024年)

2024農水省 生産農業所得統計

1位長野・2位新潟はきのこが9割以上。木材の実質上位は3位北海道・4位宮崎で、木材県ときのこ県で林業の地域特性が明確に分かれる

都道府県別 品目構成比 TOP15(2024年)

2024農水省 生産農業所得統計
木材きのこ類その他

長野・新潟・福岡はきのこ比率が8割超。宮崎・熊本・青森は木材が8割超で、同じ林業でも地域で産業構造が全く異なる

主要国の木材生産量(2022年)

2022FAOSTAT

世界上位は米・中・印など森林資源大国が独占。日本2,208万m³は下位だが、国土面積あたりでは資源集約型の特殊性が際立つ

02

担い手の構造変化

経営体数と就業者数は40年で半減し、平均年齢は52歳まで上昇した。だが緑の雇用を経た若年新規就業者の安定流入で世代交代の輪郭が見え始めている

林業経営体数・就業者数の推移

2000–2020農林業センサス / 国勢調査
経営体数就業者数

就業者は40年で14.6万人から4.4万人に70%減。経営体の減少と並走し、産業縮小が構造化している

就業者の年齢構成の変化

1990–2020(国勢調査4時点)国勢調査
15-34歳35-49歳50-64歳65歳以上

65歳以上比率は上昇したが、15-34歳層も2010-2020年に回復。緑の雇用の若年参入効果が構成比を下支えしている

新規林業就業者数の推移

1994–2023林野庁
新規就業者数

緑の雇用制度導入後、新規就業者は年間2,000〜3,500人で安定。制度設計による若年参入の下支えが機能している

都道府県別 林業就業者数(2020年・上位15県)

2020国勢調査

就業者の上位は北海道・高知・宮崎の木材県。長野・新潟などきのこ県とは分布が異なり、木材林業ときのこ林業で地域性が二分される

04

木材価格の動向

国内丸太価格は長期低迷から2021年のウッドショックで急騰した。国際木材市況との連動性が強まっている

スギ・ヒノキ丸太価格の推移

2000–2023農水省 木材統計調査
スギ丸太ヒノキ丸太

スギ丸太は2000年代の低迷期から2021-2022年に2倍水準へ急騰。供給逼迫が国産材価格を押し上げた

国際木材価格の推移(月次)

2015-01 – 2024-12World Bank Commodity
製材(マレーシア産)丸太(マレーシア産)

マレーシア産製材は2021年に歴史的高値。世界的住宅需要と物流制約が重なったウッドショックの震源

05

森林資源の現状

戦後植林した人工林の約7割が主伐適齢期に達している。利用期を迎えた森林資源の活用が自給率回復の原資になっている

人工林の齢級別面積分布(2022年3月31日現在)

2022年3月31日現在林野庁 森林資源の現況
面積(千ha)

9齢級以上(46年生以上)の面積が全体の約7割。主伐期の人工林が供給力の源泉

日本の森林面積推移

1990–2025FAO Global Forest Resources Assessment
森林面積

日本の森林面積は2,500万ha前後で安定。世界が年間数百万ha単位で森林を失う中で維持型の国

06

今後の展望

国内需要の縮小は続くが、木材輸出の拡大と国産材回帰という二つの成長軸が見え始めている

日本の木材輸出額の推移(品目別積み上げ)

1990–2024FAOSTAT Trade
丸太製材合板

木材輸出は2010年から8倍超に拡大。内需縮小を外需で補う構造が生まれつつある

主要国の森林面積変化(1990年=100)

1990–2024FAO Global Forest Resources Assessment
日本中国ブラジルインドネシアアメリカスウェーデン

中国は1990年比+44%の大規模植林、ブラジルは-21%の熱帯林消失。森林大国の命運が二極化している

農林水産省「生産農業所得統計」農林水産省「木材統計」林野庁「木材需給表」林野庁「森林資源の現況」農林水産省「農林業センサス」総務省「国勢調査」FAOSTATWorld Bank Commodity Price DataFAO Global Forest Resources Assessment

出典

  • 農林水産省「生産農業所得統計」「木材統計」「農林業センサス」(e-Stat
  • 林野庁「木材需給表」「森林資源の現況」(林野庁
  • FAOSTAT(FAO・CC-BY-4.0)
  • World Bank Commodity Price Data(World Bank・CC-BY-4.0)
  • FAO Global Forest Resources Assessment(FAO FRA