飼料ふすまは配合設計と粒度管理が歩留まりを左右し、給与タイミングと水分含有量の誤認が第一胃アシドーシスを引き起こす主要因となる。

主要データ

  • 国内ふすま流通量:約118万トン(農水省「飼料をめぐる情勢」令和5年度)
  • 輸入ふすま比率:約76%(財務省貿易統計、2025年実績)
  • TMR配合時のふすま添加上限:乾物比15〜18%(畜産草地研究所、泌乳牛基準)
  • ドル円為替(2026年5月):157.69円(前営業日比+0.69円)

配合飼料へのふすま混合で失敗する典型パターン

典型例だ。十勝の酪農家が春先の搾乳牛群に小麦ふすまを増量したところ、3日後から乳脂率が3.2%まで低下したが、原因は粒度が細かすぎたことに加え、給与時刻を朝の一回に集中させたことにあり、ふすま給与で最初に詰まるのは粒度と給与回数の組み合わせにほかならない。教科書では「濃厚飼料の一部として10〜20%」と書かれるが、この数字は平均的な粗飼料給与体系を前提にしているため、粗飼料不足の現場で同じ比率を適用すると第一胃内のpHが急降下する。

数字が物語る。飼料ふすまは小麦製粉時に分離される外皮と胚芽を主成分とし、粗蛋白質14〜17%、粗繊維9〜12%、可消化養分総量(TDN)65〜70%という栄養組成を持つ。農水省「飼料をめぐる情勢」(令和5年度)によると国内流通量は約118万トンであり、うち約76%が輸入に依存する一方で、2026年5月12日時点でドル円は157.69円と高止まりしているため、輸入ふすまのコストは前年同期比で約8%上昇している。この為替環境下では、ふすまの配合設計精度がそのまま経営を左右する。農林水産省「畜産統計(令和5年)」によると、国内の乳用牛飼養頭数は約135万頭で、そのうち経産牛は約82万頭を占める。

問題はここにある。現場で多発する失敗は、ふすまを「嵩増し用の安価な繊維源」として扱い、粒度や給与タイミングへの配慮を欠くケースであり、岩手のある肥育農家では粗挽きふすまを購入して配合飼料に20%混合したところ採食速度が落ち、1日増体重が100g減少した。一方で、逆に細挽きすぎると第一胃通過速度が速まり、繊維としての機能が失われる。ふすま給与の成否を分けるのは、粒度と給与回数、そして水分管理の三点セットだ。

ふすま給与の前提条件と準備資材

前提が重要だ。ふすまを配合飼料に組み込む前に確認すべきは、粗飼料給与量と第一胃内環境の安定性であり、乾乳牛や育成牛では粗飼料を乾物比で50%以上確保できていればふすま添加による悪影響は少ないが、泌乳初期の高泌乳牛や肥育後期牛では粗飼料比率が30%を切ることも多いため、この状態でふすまを15%以上添加するとアシドーシスのリスクが跳ね上がる。

準備は明確だ。準備すべき資材と測定機器は以下の通りだ。

  • 粒度計または篩(目開き2mm、1mm、0.5mmの三段階)
  • 水分計(赤外線式またはオーブン乾燥用)
  • pHメーター(第一胃液測定用、測定レンジpH5.0〜7.0)
  • 計量器(最小単位10g、最大計量50kg)
  • 混合機(縦型ミキサーまたはTMRミキサー)
  • 保管用フレコンバッグ(通気性のあるメッシュタイプ)

見落とせない。ふすまの品質は購入ロットごとに変動し、特に輸入品は産地によって外皮の混入率が異なるため、カナダ産は粗蛋白質が高め(16〜17%)、オーストラリア産は繊維分が多め(粗繊維11〜12%)という傾向がある。購入時には必ずサンプルを採取し、粒度と水分を測定するべきだ。水分が13%を超えるロットは保管中にカビが発生しやすく、夏季には1週間で変敗することもある。ここが分岐点だ。

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Step 1:粒度測定と篩い分け

まず粒度だ。ふすまの粒度は第一胃内での発酵速度と通過速度を決定し、粒度が細かすぎると急速発酵でpHが低下する一方で、粗すぎると採食性が落ちるため、測定は三段階の篩を使って2mm以上、1〜2mm、0.5〜1mm、0.5mm未満の四区分に分け、理想的な粒度分布は1〜2mm区分が全体の50〜60%、0.5〜1mm区分が30〜40%、2mm以上と0.5mm未満がそれぞれ5〜10%となっている。

手順は単純だ。篩い分けの手順は次の通りだ。まず購入ロットから無作為に500gを採取し、目開き2mmの篩に投入する。篩を水平に保ちながら30秒間振動させ、篩上残留分を計量する。次に篩下通過分を1mm篩に移し、同様に振動させて計量する。これを0.5mm篩まで繰り返す。各区分の重量比率を算出し、基準値と比較する。

現場では徹底が効く。栃木のある酪農組合では、購入ふすまの粒度測定を月1回実施し、2mm以上の粗粒が20%を超えたロットは粉砕機で再処理する体制を取っているが、粉砕時のスクリーン目開きは3mmに設定して過度な微粉化を防いでいる。粉砕後は再度篩い分けを行い、基準範囲内に収まることを確認する。この工程を省略すると、配合飼料全体の嗜好性が低下し、残飼が増える。省略は禁物だ。

Step 2:水分測定と乾燥処理

次は水分だ。ふすまの水分含有量は保管性と配合設計の両面で重要であり、購入時の標準水分は11〜12%だが、梅雨期や台風後には15%を超えるロットも流通するため、水分13%以上のふすまは保管中に自己発熱し、60日以内にカビ毒(デオキシニバレノール等)が検出されることもある。水分測定は赤外線式水分計を用い、サンプル50gを測定皿に広げて3回測定し、平均値を採用する。

処理は迅速に。水分が13%を超えた場合は、天日乾燥または送風乾燥で12%以下まで下げる。天日乾燥ではブルーシートに厚さ5cm以下に広げ、3〜4時間ごとに攪拌する。気温25℃、湿度60%の条件で、15%から12%まで下げるのに約6時間かかる。送風乾燥では温度50℃、風速2m/秒で約4時間だ。乾燥後は直ちに通気性フレコンバッグに詰め、床面から10cm以上離して保管する。

差が出る工程だ。秋田の肥育農家では、夏季にふすまを500kgずつ小分け購入し、到着後48時間以内に水分測定と乾燥処理を済ませる運用にしているが、購入ロットの約3割が水分13%超だったため、乾燥設備への投資回収期間は2年半で達成できた。水分管理を怠ると、配合飼料全体のカビ発生率が上がり、廃棄ロスが増える。ここも基本だ。

Step 3:配合設計と混合比率の決定

核心は配合だ。ふすまの配合比率は飼養ステージと粗飼料給与量に応じて決めるべきであり、泌乳牛では粗飼料乾物比が50%以上確保できる場合に濃厚飼料部分の15〜18%をふすまに置き換えられるが、粗飼料比率が40%を切る場合はふすまを10%以下に抑える。肥育牛では肥育中期(14〜20ヶ月齢)で最大20%、肥育後期(21ヶ月齢以降)では脂肪交雑を優先するため10%以下にする。上限管理が要だ。

具体例を置く。配合設計の具体例を示す。泌乳牛用TMR(乾物重量100kg)の場合、粗飼料(チモシー乾草+コーンサイレージ)50kg、濃厚飼料50kgの構成で、濃厚飼料部分をトウモロコシ20kg、大豆粕12kg、ふすま8kg、その他(ビートパルプ、ミネラル等)10kgとする。ふすまの配合比率は濃厚飼料の16%、全体の8%だ。この比率なら第一胃pH6.0以上を維持でき、乳脂率3.5%以上を確保できる。

混合精度も重要だ。混合時の注意点は、ふすまの軽さから分離が起きやすいことであり、TMRミキサーでは重い成分(トウモロコシ等)を先に投入して3分間混合後にふすまを加え、さらに5分間混合する。混合後はサンプリングして各成分の分布を確認し、分離があれば混合時間を延長する。北海道のTMRセンターでは、混合完了後に4箇所からサンプルを採取し、ふすま含有率の変動係数が5%以内であることを確認している。農林水産省「畜産物流通統計(令和4年度)」によると、国内の配合飼料生産量は約2,400万トンで、うち乳用牛向けは約630万トン、肉用牛向けは約340万トンとなっている。

Step 4:給与タイミングと回数の設定

時間設計が効く。ふすまは急速発酵性の繊維源であり、給与タイミングを誤ると第一胃pHが急降下するため、理想は1日3回以上の分割給与だが、労働力の制約から2回給与が現実的だ。2回給与の場合、朝と夕の給与量を4:6に配分し、夕方の給与量を多くする。これは夜間の反芻活動を促し、第一胃pHの回復を助けるためだ。

順番にも意味がある。給与タイミングは粗飼料給与との組み合わせで決まり、粗飼料を先に給与して30分後にふすま入り濃厚飼料を給与するのが基本だが、逆に濃厚飼料を先に給与すると急速発酵でpHが低下した状態が長時間続く。宮崎の肥育農家では、朝6時に粗飼料、6時半に濃厚飼料(ふすま15%含有)、夕方5時に粗飼料、5時半に濃厚飼料という給与パターンで、第一胃pH6.2を維持している。

導入は段階的に。泌乳初期牛や高泌乳牛では、ふすま給与量を段階的に増やす。導入初日は目標量の50%、3日目で75%、5日目で100%とする。急激な増量は採食量低下と下痢を引き起こす。群馬のある酪農家では、分娩後3週間はふすまを配合せず、4週目から段階的に増量する方式で、泌乳初期の事故率を従来の8%から3%に下げた。急がないことだ。

Step 5:第一胃pHモニタリングと調整

監視が要る。ふすま給与後は第一胃pHを定期的に測定し、アシドーシスの兆候を早期に捉える必要があり、測定は経口胃液採取器を用いて給与後4〜6時間に実施する。正常範囲はpH5.8〜6.5で、5.5を下回ればアシドーシスのリスクが高い。測定頻度はふすま導入初期は週2回、安定後は月1回でよい。

対処は三段階だ。pH低下が確認された場合の対処は三段階であり、第一段階はふすま給与量を20%削減して3日間様子を見て、第二段階は粗飼料給与量を乾物比で5%増やしながら濃厚飼料全体を減らす。第三段階は重曹を1日1頭あたり100〜150g添加し、第一胃の緩衝能を高める。兵庫の酪農家では、pH5.6まで低下した群に重曹150gを3日間給与し、pH6.1まで回復させた実績がある。

糞便も見る。pHモニタリングと並行して、糞便の状態観察も欠かせない。正常な糞は山型に堆積し、繊維質が確認できる。ふすま過剰給与では糞が軟化し、未消化繊維が増える。糞便pH測定も有効で、正常範囲はpH6.5〜7.0だ。pH6.0を下回れば第一胃でのデンプン発酵が過剰になっている証拠だ。

よくある失敗と対処法

最頻出の失敗だ。ふすま給与で最も多いのは、粒度の細かいふすまを多量に給与して乳脂率を低下させるケースであり、千葉の酪農家が細挽きふすまを濃厚飼料の20%配合したところ、2週間で乳脂率が3.8%から3.1%に落ちた。原因は細かい粒子が第一胃を急速通過し、繊維としての機能を失ったことだ。対処法は粒度1〜2mm区分が50%以上のふすまに切り替え、給与量を15%に減らすことにある。切り替え後10日で乳脂率は3.6%まで回復した。

次は保管だ。次に多いのは、水分過多のふすまを長期保管してカビを発生させる失敗であり、鹿児島の肥育農家が梅雨期に購入した2トンのふすまを、水分測定せずに保管したところ、1ヶ月後に白色と緑色のカビが発生した。カビ発生部分は全体の約30%に及び、廃棄損失は約15万円になった。対処法は購入時の水分測定を必須化し、13%を超えるロットは即座に乾燥処理することだ。保管場所も湿気の少ない屋内とし、床面との間に通気層を確保する。

価格連動の判断も危うい。三つ目は、ふすまの配合比率を一定に保たず、購入価格に応じて増減させる失敗だ。岩手の繁殖農家が飼料価格高騰期にふすま比率を25%まで上げたところ、受胎率が従来の85%から68%に低下したが、原因は過剰な繊維摂取でエネルギー不足となり、発情発見率が落ちたことにあった。対処法は配合比率を固定し、価格変動には他の成分で対応することだ。ふすま比率を15%に戻し、不足エネルギーを脂肪酸カルシウムで補った結果、3ヶ月後には受胎率が82%まで回復した。

誤解も多い。四つ目は、ふすまを粗飼料代替として扱い、粗飼料給与量を減らす失敗だ。栃木の酪農家が粗飼料価格高騰を理由に、粗飼料乾物比を50%から40%に下げ、不足分をふすまで補ったところ、群全体で第一胃アシドーシスが発生した。ふすまは物理的有効繊維(peNDF)が低く、粗飼料の完全代替にはならない。対処法は粗飼料乾物比を最低45%確保し、ふすまは濃厚飼料部分での繊維源と位置づけることだ。代替ではない。

安全管理と品質劣化の防止

最大の敵はカビ毒だ。ふすま保管で最大のリスクはカビ毒汚染であり、デオキシニバレノール(DON)は小麦由来ふすまに含まれやすく、濃度1ppmを超えると採食量低下と免疫抑制を引き起こす。農水省の「飼料中のカビ毒の実態調査」(令和4年度)によると、輸入ふすまの約12%でDONが検出され、うち2%が1ppmを超えていた。購入時には供給業者にカビ毒検査証明書の提出を求める。証明書がない場合は、簡易検査キット(イムノクロマト法、検出下限0.5ppm)で自主検査する。

環境管理が基本だ。保管環境は温度20℃以下、湿度60%以下が理想であり、夏季には保管庫内に除湿機を設置して湿度管理を徹底するべきだ。保管期間は水分12%以下なら最大3ヶ月、13%以上なら1ヶ月以内とする。フレコンバッグは直射日光を避け、壁から30cm以上離して配置する。これにより通気を確保し、結露を防ぐ。

作業者保護も欠かせない。作業者の安全面では粉塵対策が必須であり、ふすま混合作業では粉塵濃度が10mg/m³を超えることもあるため、長時間曝露は呼吸器疾患のリスクとなる。防塵マスク(DS2規格以上)を着用し、作業後は手洗いとうがいを徹底する。混合機周辺には局所排気装置を設置し、粉塵の拡散を抑える。青森のTMRセンターでは、混合機上部にフード型排気装置を設置し、作業環境測定で粉塵濃度3mg/m³以下を達成している。

飼養ステージ別のふすま活用法

段階で使い分ける。乾乳牛では粗飼料主体の給与体系となるため、ふすまは嗜好性向上と適度なエネルギー補給を目的に配合する。配合比率は濃厚飼料の20〜25%とし、1日給与量は乾物で0.8〜1.2kg程度だ。乾乳期の過肥を防ぐため、ふすまとビートパルプを組み合わせ、デンプン含量を抑える。北海道の酪農家では、乾乳後期(分娩2週間前)にふすま1kg、ビートパルプ1kgを給与し、分娩時のボディコンディションスコア(BCS)3.0〜3.25を維持している。

慎重さが要る。泌乳初期牛(分娩後3週間)では、ふすまの給与は慎重にする。第一胃機能が不安定なため、配合比率は濃厚飼料の10%以下とする。泌乳中後期(分娩後4週間以降)には15〜18%まで増やせる。高知の酪農家では、泌乳初期にふすま給与を見送り、4週目から段階的に導入することで、ケトーシス発生率を6%から2%に下げた。

育成期は基礎づくりだ。育成牛では骨格成長と第一胃発達を優先し、ふすまは繊維源として活用する。配合比率は濃厚飼料の15〜20%とし、粗飼料との組み合わせで第一胃容積を拡大する。月齢6〜12ヶ月の育成牛にふすま1.2kg、チモシー乾草2.5kgを給与することで、1日増体重0.7〜0.8kgを確保できる。

肥育では配分が変わる。肥育牛では肥育ステージごとに配合比率を変え、肥育前期(12〜18ヶ月齢)ではふすま15%、肥育中期(19〜24ヶ月齢)では20%、肥育後期(25ヶ月齢以降)では10%以下とする。肥育後期にふすまを減らすのは、脂肪交雑を優先してデンプン給与量を増やすためだ。鹿児島の肥育農家では、この給与パターンで黒毛和種去勢のA-5等級出現率72%を達成している。2026年5月13日時点の東京食肉市場では、和牛去勢A-5の加重平均単価が2782円/kgと高値で推移しており、ふすまを活用した低コスト肥育の経済効果は大きい。

コスト管理と購入戦略

価格は読みにくい。ふすまの購入価格は為替と小麦相場に連動し、変動幅が大きい。2026年5月時点でドル円157.69円の環境下では、輸入ふすまの価格は1トンあたり4万2千〜4万8千円で推移する。国産ふすまは1トン5万〜5万5千円と割高だが、カビ毒汚染リスクが低く、品質が安定している。購入戦略としては、輸入品と国産品を7:3で組み合わせ、価格変動リスクを分散する方法が有効だ。

買い方で差が出る。購入時期は小麦収穫後の8〜10月が最も安価になり、この時期に3〜4ヶ月分をまとめ買いすれば、保管コストを考慮しても年間飼料費を5〜8%削減できる。だが、保管設備が整っていない農家ではカビ発生リスクが購入メリットを上回る。茨城の酪農組合では、組合員10戸で共同保管庫を建設し、9月に年間使用量の30%を一括購入する体制を取っている。共同購入により単価を1トンあたり3千円引き下げ、保管庫建設費は3年で回収できた。

比較で見るべきだ。コスト評価では、ふすまの栄養価を他の飼料原料と比較する必要があり、TDN1kgあたりの価格で比較すると、ふすまは約62円、トウモロコシは約78円、大豆粕は約95円となる。繊維源としての機能を考慮すれば、ふすまはビートパルプ(TDN1kgあたり約85円)よりも経済的だが、嗜好性はビートパルプが優るため、採食性が問題になる群ではビートパルプとの併用を検討する。農林水産省「食料・農業・農村白書(令和5年版)」によると、国内の飼料自給率は25%(粗飼料換算ベース)にとどまり、濃厚飼料の多くを輸入に依存している。

次にやるべきこと

最初の2週間が勝負だ。ふすま給与を導入する場合、最初の2週間は毎日の採食量と糞便状態を記録し、採食量が前週比5%以上減少、または糞便が軟化した場合は、ふすま給与量を20%削減する。同時に第一胃pHを週1回測定し、pH5.8を下回れば給与設計を見直す。測定データは給与量、給与時刻、粗飼料比率とともにスプレッドシートに記録し、傾向分析に活用する。記録が土台だ。

次は粒度最適化だ。ふすま給与が安定したら、粒度1〜2mm区分の比率を5%刻みで変化させ、乳脂率または増体重への影響を評価する。評価期間は最低3週間とし、季節要因を排除するため同一期間内で比較する。最適粒度が見つかれば、購入先にその仕様を伝え、安定供給を依頼する。ここで精度が上がる。

長期では設計力だ。長期的には、ふすまを含めた自家配合飼料の設計精度を高めることが重要であり、配合設計ソフト(日本飼養標準準拠)を導入して栄養素バランスを可視化し、ソフト上で複数の配合パターンをシミュレーションしながら、コストと栄養価の両面で最適解を探る。愛媛の酪農家では、配合設計ソフト導入後、ふすま配合比率を従来の12%から16%に引き上げ、年間飼料費を8%削減した。

結論から言う。ベテラン酪農家は「ふすまは第一胃の調整弁だ」と言う。粗飼料と濃厚飼料の橋渡しをし、急激な発酵を抑える役割を持つ。だが、その機能を引き出すには粒度と給与タイミングの精密管理が前提であり、数字で管理できない農家はふすまを使いこなせない。つまりふすま給与の成否は、データに基づく飼養管理体制そのものを映し出すということだ。

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